暑かったんだ。
あるてま
暑かったんだ。
温度そのものを、おんぶにだっこしたような暑さ。
ふいに、君の手首が目に付いた。
汗ばんでいるであろうそれに、ゴクリと喉が鳴る。
そうだなぁ...。
まずその産毛が私の舌を刺激して、私をうっとりとさせるんだ。
そして突き抜けた塩っ気に、唾液が這うように滲み出て、頬の裏が痺れる。
すると喉の奥がキュッとなって、同時に空気なんかよりずっと熱を孕んだ涙が、まあるく形作られて目尻に乗る。
...その瞬間、君は私以外誰の物でもなく、私にだけその肌を舐めさせている...、って興奮してしまう。
私は心酔して、訳もわからない位に脳みそが蕩けてしまうんだろう。
......まあ、そんな事出来ないけど。
暑かったんだ。 あるてま @arutema
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