壱ノ不思議 廊下の怪(24p)

 深く考える事じゃ無い。

 声はやっぱり気のせいかも知れないし、家の外で誰かが話していた声が聞えただけかも知れない。

 不思議がる事何て何も無い。

 私はその考えに納得して、土間の戸を見てうんうん、と頷いた。

 もう戻ろう。

 そう思った瞬間、ふと、背中に気配を感じた。

 誰かがいる気配を感じる。

 私の心臓がドクドクと音を立てる。

 私は勢い良く振り返った。

 振り返って見た先には、雪絵お姉さんがいた。

「早紀ちゃん? あなた、こんな所で何をしているのよ?」

「雪絵お姉さん?」

「そうよ。他の誰に見えるって言うのかしら? 

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