壱ノ不思議 廊下の怪(20p)

 そう言えば、さっき居間でくつろいでいる時にも私は自分の荷物を見ていない。

 これは、雪絵お姉さんに聞きに行った方が良いかも知れない。

 私は居間から出て、雪絵お姉さんのいる部屋へ向かおうとした。


『イカナイデ』


 声がした。

 私は居間の中を覗く。

 誰もいない。

 空耳か? 私はそう思ってまた雪絵お姉さんの元へ行こうと足を進めた。


『行かないで』


 私は立ち止まり、振り返った。

 振り返った先を、ジッと見る。


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