『空虚のそら』

瓦礫の街に人影は無く 冷たい空気が肌を刺す 暗闇の隅に佇む姿は骸のようで 偽りの世界をぼんやり眺める 誰かが居ても誰もいない 誰かを求めても誰も要らない 好きだから会いたいけど好きだから会えない 画面越しに見る知り合いの様子は誰よりも他人でした 自分の心が解らなくなる 爪の先が痛くなる 感覚が麻痺していく 倒壊した街の破片はこの身体を押し潰す この街の外の生き物は肉を抉る抉る 偽りの世界に救いがあるとするなら好きな君がいること 数少ない友がいること そしてまだこの胸に心があること

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