『眠りの微笑み』

部屋の明かりを消して独り暗がりに浸る


なんて穏やかな空間、今の心には心地よくて


君の好きな歌を歌ってあげられない僕を許して欲しいよ、何日も欠かさず歌ってあげたのだから


この歌を歌って心が倒壊する事に今は耐えられそうにもないから


詩人でも言葉じゃ言い表せないほどの君への想いが僕を粉々にしてしまうから


君は僕にも一緒にしんで欲しいと言った、僕はしぬのが怖いから出来ないと答えた


何でだろう、今ではしぬことへの恐怖が余り感じられないんだ


そこに君がいると思ってしまっているからかな


僕がこの世から消えてしまったなら悲しむ人がいるけれど


今でも鮮明に脳裏に焼き付いている、この皮膚が覚えている


冷たくなった君の可愛いおてて、愛らしいおでこ、無数の花に飾られて手を握ることも出来ずに口付けすることも出来ずに


眠っている君の大好きな頭を優しく撫でてあげることをしたらとても愛おしく微笑んでいたこと


僕の涙はあの日のままに、僕の存在はあの日のままに





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