第6回電撃大賞

個人的おすすめ作品


1位 若草野球部狂想曲




 1位の「若草野球部狂想曲」は甲子園で活躍し、東の怪物と言われた主人公が女子部員も合わせてようやく九人という地方の野球部のある高校に転校するお話。しかも、その野球部は甲子園の優勝校との練習試合で勝たなければ廃部になってしまうという実にスタンダードなストーリー。

 だが、しかし、この小説のすごいところは1999年という20世紀にかなり詳しいデータ野球をしているところです。小説の中に出てくる解説は今読んでも納得してしまうものばかり。当時は野村克也監督のID野球というのが流行っていたというのもあるでしょうが、それでもよくここまで野球を分析したものだと思います。

 野球が好きな人なら深く刺さる作品でしょう。

 なお、作者が阪神ファンなので作品の中に当時の阪神ネタがちらほらと。松坂大輔選手の名前も怪物高校生として出てきますし、時代を感じますね。


その他の作品の感想


「リングテイル 勝ち君の戦」:魔導士見習いの主人公の女の子が国を賭けた戦いに巻き込まれ、成長していく物語。壮大な正統派ファンタジーです。


「ダブルブリッド」: 「怪」と呼ばれる生物と人との間に生まれた主人公の女の子が相棒の男性と「怪」に関する事件を解決していく物語。人間というものを考えさせられて面白かったです。




総評

 今回はなかなか興味深い回となったのではないでしょうか。なぜならライトノベルには難しいと言われているものがいくつかありますが、その中でも女性主人公とスポーツものは有名ではないでしょうか。

 ですが、この第6回電撃大賞では女性主人公ものが二つ、スポーツものが一つと、ライトノベルでは難しいと言われているものしか受賞していません。これはうまく女性主人公やスポーツものを書けば、十分受賞できるレベルに持っていけるということでしょう。実際、どれもかなり面白く読ませていただきました。

 ジャンルとしては数が少ないので参考になるかわかりませんが、異世界ファンタジー、現代ファンタジー、現代スポーツとかなりバラバラです。バランスがいいとも言えるかもしれません。面白ければジャンルは問わないのは昔からなんですね。

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