第7回電撃大賞
個人的おすすめ作品
1位 天国に涙はいらない
1位の「天国に涙はいらない」は霊能力者の主人公と天使(男)と協力しながら純粋無垢な悪魔の女の子を救おうとする話です。
ヒロインはもちろん悪魔の女の子。この女の子が悪魔なのにいい子で、それなのに無意識に周りに不幸を振りまいている。苦悩するヒロインとそれを助けようとする主人公たち。そして最後には想像以上の結末が……!
今回の受賞作の中では一番ギャグとシリアスのバランスがとれた作品だったと思います。総合力の高さで、私の中のオススメ一位です!
その他の作品の感想
「陰陽ノ京」:舞台は平安時代の京。主人公は安倍晴明……ではなく、陰陽師界では晴明と同じくらい有名な慶滋保胤。知らない人は勉強にもなるのでぜひ一読を。
「ウィザーズ・ブレイン」:魔法士と呼ばれる存在の主人公たちが永遠の冬に閉ざされた22世紀で戦い生き抜いていく物語。SFっぽいファンタジーのような雰囲気です。
「天剣王器 Dual Lord, Reversion」: 武力の象徴である王剣という存在と、政治の中心である王器という存在が入り混じりながら主人公たちを翻弄していく物語。少年少女たちは王剣と王器を目指すのだが……。
ジャンルとしては戦記物ファンタジーでしょうか? そういうのが好きな人にオススメ。
総評
今回は受賞作が五作あったのですが、「王道楽土」という作品は未刊行ということで残った四作品でオススメを選びました。そのため、個人的なオススメが一作品のみとなっています。
この四作品を見てみるとジャンルとしては現代ファンタジー、歴史ファンタジー、SFファンタジー、戦記物ファンタジーと、基本的にはファンタジー要素が多分に含まれる作品が受賞したように思えます。しかし、その中でもファンタジー要素が少ない作品が金賞などのより高い評価(あくまで受賞時)を得ているようにも思えました。
また、個人的に注目したいのは「陰陽ノ京」を受賞させていることです。前回の「大唐風雲記 洛陽の少女」、前々回の「七姫物語」とこの三年間は歴史系の小説が受賞しています。この頃は歴史系がブームだったのでしょうか。歴史が好きな私としては興味深いことです。最近でも第24回の「吉原百菓ひとくちの夢」などは少し変わった歴史系の小説と言えるかもしれません。
面白ければなんでもあり。電撃には歴史物だろうとなんだろと受け入れる下地がこの頃から会ったようですね。
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