第9回電撃大賞
個人的おすすめ作品
1位 バッカーノ! The Rolling Bootlegs
2位 キーリ 死者たちは荒野に眠る
3位 シルフィ・ナイト
1位の「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」は不死のお酒をめぐって様々な登場人物が偶然という運命により引き寄せられていくお話です。キャラがみんな魅力的で、全員が主人公でいいんじゃないかと思えるほどの小説でした。序盤ではまったく関係ないような出来事が最後には一つに収束していく様はとても気持ちがいいです。文句なしのオススメ!
ちなみに私が好きなキャラは強盗カップルです。あのハチャメチャ具合が最高。
2位の「キーリ 死者たちは荒野に眠る」はキーリという女の子の主人公が特別な方法でしか死ぬことのない不死身の男と旅に出るお話。キーリは幽霊を見ることができ、友人も生きていない人達ばかり。それでもキーリは不死身の男と一緒にとある目的地へと向かいます。その旅先で様々な出来事が起こり……。少女漫画のような雰囲気もあるので女性に人気がありそうでした。
3位の「シルフィ・ナイト」は戦争中のパイロットたちが主人公とヒロインの物語。すごく勉強しているなと感じられるほど戦闘機などの描写や説明が丁寧です。もちろん戦争ばかりの話ではなく、恋愛などの話もあるので重苦しい感じはしませんでした。戦闘機などでの戦争の話が好きな人にオススメ。
その他の作品の感想
「七姫物語」: 七人のお姫様をめぐる和風ファンタジー。個人的には和風というよりも三国志などの中華ファンタジーに近いかなと思いました。和風や中華風の物語に興味がある人にオススメ。
「シャープ・エッジ」:戦うことしか知らない少女が復讐のために魔女に戦いを挑む物語。魔法以外にもナイフや銃など近代兵器も出てきます。現代に魔法を使う魔女が入り込んだ世界と言った感じでしょうか。
総評
今回はシリアスな作品が多かった印象です。ギャグも少なく、「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」がまだコメディ要素が含まれているかなという感じです。それでも「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」もシリアスなところはなかなかシリアスなので、やはり全体としてはシリアスな回だということになるでしょう。
ちなみにこのバッカーノ!シリーズですが、2019年現在二十巻以上刊行している長編シリーズ。第九回ともなると初版は2002年頃なので、こうした長寿シリーズの存在も目立ってきますね。こうした長寿シリーズもチェックしていきたいものです。
世界観としては私たちのいる世界を基準にしたものが多かったです。過去にとんだり多少魔法などの要素が混じっていますが、ファンタジーの世界でモンスターや妖精がいるような世界観というものはありませんでした。そういった世界観のものはいつからなかったかなと調べてみますと、第十二回の「お留守バンシー」や「狼と香辛料」以降読んでいないようでした。まだ過去に遡ってみなければわかりませんが、この第十二回は電撃大賞にとって一つの転換点だったのかもしれませんね。
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