第12回電撃大賞
個人的おすすめ作品
1位 狼と香辛料
2位 お留守バンシー
3位 超告白
1位の「狼と香辛料」は賢狼ホロと商人の主人公が商業活動をしていく中でともに苦難を乗り越えていくお話。有名なライトノベルですので知っている人も多いはず。ライトノベルという割にはラブコメのような恋愛があるわけでもなく、バトル小説のような激しい戦闘があるわけでもないですが(一部そのような描写はあります)、商業に関する独特の視点での語り口はとても勉強になって知的好奇心を満たしてくれます。
個人的な感想としては商売は面白いけど怖い世界だなと思わされた作品でした。面白かったです。
2位の「お留守バンシー」は化け物たちが住む屋敷で主が逃げ出したためにお留守番をすることになったバンシーという少女のお話。なお、バンシーというのも化け物の一種です。知らなかった……。
バンシーのほかには頼りないデュラハンやまったくサキュバスらしいことをしないサキュバスなど、個性的な化け物たちでいっぱいです。そんな彼らはとある事件に巻き込まれ……。
テンポのいい語り口なので読んでいて楽しかったです。話の内容も軽い感じなので気楽に読めることでしょう。
3位の「超告白」は短編での受賞作です。本作は「天使のレシピ」というタイトルの本に収録されています。
内容としてはどこか普通の恋愛ではなくなってしまった男女の模様を描いています。主人公たちはそれを呪いや実験と称して様々な形で悩んで解決していくのですが、その様子が読んでいてとても面白かったです。
恋愛をいつもとは違った視点で見たい人にオススメ。
その他の作品の感想
「哀しみキメラ」:化け物と融合してしまった主人公たち四人を中心としたお話。常に空腹を感じ、幽霊などの人ではないものを食べないと満足できない体で現代を生きていくことはできるのか。ダークな雰囲気が好きな人にオススメ。
「火目の巫女」:化け物に村を襲われた少女が火目の巫女になるために奮闘する物語。物語の題材としては平安時代あたりをモチーフにしているようです。時代小説など好きな人にはオススメかも。
総評
今回もシリアスが多めでしたが、大賞の「お留守バンシー」はギャグ寄りだったことを考えるとコメディが忌避されていたわけではなさそうです。単純にシリアスな小説に出来のいいものが多かったのか。
ジャンルとしてはファンタジーと現代物が半々といったところ。バランスはいいと思います。
この回は銀賞で「狼と香辛料」をとっていることを考えると成功した回だったのでしょう。実際に読んでみて確かに面白かったです。銀賞でも認められればかなり売れることになる例と言えると思います。
「超告白」という短編も受賞しているので読んでいて色々と楽しい回でもありました。次回の受賞作も期待できそうです。
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