第11回電撃大賞

個人的おすすめ作品


1位 シリアスレイジ




 1位の「シリアスレイジ」は特殊なウィルスにより生物が異常発達した近未来の世界で、その生物たちと戦うハンターたちとハンターを目指す主人公たちの戦いを描いた小説です。

 最初の冒頭を読んでいると、異常発達した生物と戦う話なのかな、と思っていたのですが、実はそんな単純な話では終わりません。詳しくは読んでみてのお楽しみと言ったところですが、きっと満足のいく読書ができることでしょう。

 シリアス一辺倒ではなく、しっかりとラブコメ的要素も含まれているのもよかったですね。



その他の作品の感想


「ルカ -楽園の囚われ人たち-」:人類最後の少女とその少女を守るために日々苦労する老若男女の物語。本当に大切なものは何かを考えるためのお話です。


「nerim's note ひかりのまち」:太陽の光がなくなった町で主人公の少年が町を覆いつくす陰謀と戦う物語です。肉体を使ったバトルもありますが、基本的には口で戦う描写が多めな印象。


「奇蹟の表現」:サイボーグとなった主人公が町の教会で余生を過ごそうとしているところに臓器売買などの陰謀に巻き込まれてしまう物語。イノシシの顔を持つ大人のサイボーグが主人公というちょっと珍しいタイプの小説。




総評


 やはりといいますか、今回もシリアスが多めな印象でした。細かく見ればコメディ的要素がある作品もあるのですが、やはり分類的には今回の小説は全てシリアスに分類されると思います。もしかしたらラノベでコメディ主体の小説の歴史は意外と浅いのでは、と思う今日この頃。


 また、相変わらず電撃大賞はこの頃から冒険しているなと感じたのは「奇蹟の表現」を受賞させたことだと思います。主人公がイノシシの顔をしたサイボーグなのはもちろんのこと、ヒロインが年端も行かない少女(見た目十代も怪しい)。相棒が小太りのおっさん。ラノベの主体となるはずの十代後半がいない! ラノベ界の常識が通用しないのが電撃大賞というもののようです。

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