第8回小学館ライトノベル大賞

個人的おすすめ作品ベスト3


1位 夏の終わりとリセット彼女

2位 奇械仕掛けのブラッドハウンド

3位 スチームヘヴン・フリークス


 1位の「夏の終わりとリセット彼女」は記憶喪失となった彼女と主人公の二度目の恋愛を描く青春小説。正義感の強い彼女と臆病な主人公は読んでいてもどかしいと思うこともありましたが、後半になってきてそれがうまく料理できていた作品だと思います。

 記憶喪失という小説としてはありきたりなギミックをうまく使えた作品なのではないかと思いました。


 2位の「奇械仕掛けのブラッドハウンド」はホラー風味の現代バトル小説。明るいキャラたちとは裏腹にストーリーはかなり重めです。それがうまく融合している珍しい作品なのではないかと思いました。

 発生した連続殺人事件を追うことで物語は進んでいくのですが、ここでのキーワードは「指」です。この「指」が事件を解く鍵にもなり、バトルでも重要な鍵にもなるというのはなかなか面白かったです。さすがは大賞をとった作品だと思いました。


 3位の「スチームヘヴン・フリークス」はラノベでは珍しいアメコミ風のバトル小説。悪役もすごい悪役をしていますし、味方もすごい味方って感じのわかりやすい小説です。蒸気の力で戦うのも面白かったですね。

 なお、作者はアメリカが好きでも嫌いでもないらしいです。あとがきでは「普通です」と答えていました。ほんとかよ。




その他の作品の感想


「クレイジーハットは盗まない」:怪盗の主人公と人形の少女が事件を解決する物語。雰囲気としてはライトノベル版ルパン三世って感じかな?


「血潮の色に咲く花は」:人間に寄生して成長する花がある世界の物語。主人公が過去と向き合って成長するストーリーでした。




総評

 この回は魔法やファンタジーといった不思議要素が多分にあった回でした。現代でリアル路線は「夏の終わりとリセット彼女」くらいかな? ガガガはあまり魔法やファンタジー要素の多い小説が受賞している印象がなかったのでこの回で少し認識が変わりましたね。最近は少ないのかもしれませんが、ファンタジーが多めに受賞する回もあるようです。

 ガガガの特徴でもあるめんどくさい系の主人公も少なかった印象。第八回と第九回の間で何かあったのかしら?

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