第96話 呼び出し
「また入ってる…」
昨日に引き続き同じ内容の手紙が入っていた。
昨日、行かなかったので普通なら怒ったりしてもうやらないはずなのだが来たってことはよっぽど思いを伝えたいのかボコりたいのか…。
このままずっと続いても迷惑なので行くことにした。
「ねえ、何かあったの?」
京が心配そうに話しかけて来た。
「そんなに険しい顔してた?」
「うん…」
「心配させてしまって申し訳ない。でも気にしなくていいよ今日で終わると思うから」
俺の方にも問題があったから本当の告白なら素直に謝ればいい、罰ゲーでも告白した事実があるから終わる。一番面倒なのがボコるための予備だしだな…痛い思いをしなきゃいけないからなぁ…
最後の授業が終わり俺は屋上へ向かった。
「誰もいねえし…」
なにこれ、新手の嫌がらせ?それならそれで帰るんだけど。
でもまあ、もう5分だけ待ってみるか
「今日こそはいると思います」
「そうか…、いなかったら覚悟しとけよ」
「ヒィ…」
恐る恐る屋上の扉を開けるとターゲットはいた。
これで殴られずに済む…そう、一安心したところで一声かかった。
「お前はもう帰っていいぞ」
「…へ?」
「聞こえなかったのか?もう帰っていいって言ったんだ。」
この人は基本一人になりたがらない。なのに今日はなりたがっている。珍しいこともあるもんだ、それより早く逃げよう。
俺は急いでその場から立ち去た。
「お前か?手紙出したの」
「そうだ…」
んー?見たことないけど、同学年なのか…な?心配になってきた。
「それで何の用だ?」
「俺と…、」
なんだよ、戦えって?嫌だよ痛いもん。
「俺と…、いや俺に…モテる方法を教えてください」
「………へ?」
予想外の答えが来たので時間が止まったように感じたのと気の抜けた返答が出てしまった。
「俺にモテる方法を教えて下さい」
「いやいや、俺別にモテてないですよ?」
そんな言い訳が通じるわけないよね。だって、京に春、一時的だが伊香に燐、その友達2人が俺の関係者だと伝わってるんだからもててるってとらえられても仕方ないよね
「教わって誰か落としたい人でもいるの?」
「…まあ。はい。教えてもらう身なんで言います。います」
へ~。でもそれって俺に聞いても意味ない気がする。だって女心ってよくわからないし。
「まあ、できるだけ頑張るよ。それで誰なの?」
「それは…----」
「なるほどね~。わかった。連絡先交換して、一緒にその恋が実るように手伝うよ」
「ありがとうございます。師匠」
「タメにしよう。同学年だしさ」
「うっす」
こうして俺と彼の、『どきッ♡。意中の彼女射止めちゃうぞ♡』作戦が決行された。
あっ、俺まだ名前聞いてないや…
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ども^^作者です。
リアルが忙しくてあまり更新できてませんが今後ともよろしくお願いいたします
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