第61話 遅刻
「あ”””、月曜日が来てしっまった…」
学生から社会人の方まで一週間の始まり、憂鬱な曜日、様々なことを言われている曜日
「おはよう」
リビングに行くと京が朝の挨拶をしてくる。
体から湯気が経っており、シャワーを浴びてきたことがわかる。
「おはよう京、燐はまだ寝てるのか?」
珍しく、燐がまだ起きてきていないので部屋へ向かってみた。
「おーい、燐?朝だぞ」
「熱っぽいから、ゴホッゴホッ、学校休む」
「わかった、母さんに言っておくな」
俺はリビングへ戻り母さんに伝えた後、冷えピタとアスエリアスをもって、燐の部屋に再び来た。
「燐、入るな…」
寝ているところを起こしたくはないので、小声で声をかけた。
「うー…ん…」
どうやらうなされているようだ、燐の額に手を置き簡易的に体温を確認した。
「あっついな…」
冷えピタを額と動脈が通っているところに貼り、部屋を出た。
「母さん、燐結構熱ありそうだから病院に連れてってあげて」
「わかった、でもいけるのは夕方くらいかな」
京は、先に行ったらしくすでにいなかった。
俺はチラッと時計を確認すると、8:00を回っていたので急いで家を出た。
「ぎりぎり…」
「アウトだ」
わざとらしく担任が眉間をつまんでいた。
急いできたのだがぎりぎり間に合わなかった、なかなか悔しいな…
どれくらいの速度なら間に合うのか今度ためしてみようかな…?などと考えていると櫻が声をかけてきた。
「遅刻とは珍しいな、なんかあったのか?」
「妹が熱を出してな、気が付いたら8:00を回っていて急いできたんだがこのざまさ」
「お大事にな」
「ありがとう」
やっぱり、いいやつだな~と思いながら見おくった。
うちのクラスの男子たちは燐のことを知っているので、櫻に話したのを盗み聞きしたのか、「おみまいに行ってもいいか?」と多くの奴らからきた。
まあ、害虫退治は兄の役目なのでしっかり拒否しておいた。
それから、2時間が経った休み時間、
「栄治、いつも以上に集中できてないね…」
「おお、京。熱の時って一人っきりだとなかなか不安になるだろ?
大丈夫かなと思ってな」
いらぬ心配かもしれないが兄としては気がかりだ
「ノートなら、見せてあげるから行ってあげて」
「悪いな…、行ってくる」
私ったら、敵に塩を送るなんて何をしてるんだろう…
一人の辛さを知ってるからかな…?
「先生、早退させていただきます」
「理由は…」
馬鹿正直に、妹の看病をするためですと言うか、それとも風邪っぽいからにするか
「風邪っぽいんで、大事をとって早退させていただきます」
「嘘をつくな」
とチョップされた
「え…?」
「別のことだろ?正直に話せ、お前は顔に出やすいからな、バレバレだ…」
よく見てるんだな…
俺は、妹のことを話した。
「そうか、じゃあ仕方がない。公欠にはならんから出席日数に注意しろよ」
といって帰るのを許可してくれた。
俺は、走って家まで帰った。
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