第32話 ごめんなさい
昼休みが終わる予鈴が鳴るまでずっと逃げていたので、もうクタクタになっていた。
やっぱ、なんもしてないから体力の低下がヤバイな…
授業についていけなくなるから寝たくないんだけど、まあ京に後で教えてもらうか…
「Zzz…」
「…起きろ、起きろ…」
ガンッと鈍い音がした。
「いてぇ…」
びっくりして跳ね起きてしまった。
「馬鹿野郎、寝るならもう少し静かに寝やがれ」
社会の担当教師が出席簿をもって目の前に立っていた。
なんだ?クラスの連中がクスクスと笑っている。
そして、京に至っては赤面している。
「寝言でもなんか言ってましたか?」
「京の名前を連呼してたぞ…」
え?…マジで申し訳ないんだが。
とりあえず誤解を生まないようにしておかなくては。
「京の、名前を連呼していたのは、社会を教えてもらおうと思って寝たのでそれが原因なんじゃないかなと思います。」
「そうか…。なら、俺の授業でしっかり学べや」
「申し訳ございませんでした。」
俺は机の上にのり土下座をした。
「京もごめんな…、俺のせいで恥ずかしい思いをさせてしまった」
「い、いえ、大丈夫です…」
大丈夫とは言っているが目を合わせてくれない…
やっぱ怒ってるよな…
なんか、買って帰るか…
「いらっしゃいませ~」
「えーっと、飲み物、飲み物」
何を飲むのかな?
えーっと、オレンジジュースでいいかな?でも柑橘系アレルギーだったらどうしようかな…
炭酸系?でも飲めなかったらどうしよう…
こうなると俺ってなんも知らないんだな…
「スポドリ系でいいか」
あとは糖分補給のための甘いものだが…
「いろんな種類のケーキを買って行こう」
モンブランにショートケーキ、チョコレートケーキにチーズケーキ、これなら大丈夫かな?
「合計で3462円です」
俺は五千円を払い店をでた。
「ただいまー」
「おかえり、みんな部屋にいるわよ」
「うーい」
「ただいま、これみんなで食べて」
「ありがと」
「ありがとうございます」
「ありがと、お兄ちゃん」
燐は最近、兄さんからお兄ちゃんに呼び方が変わった。
「さてと、みんな伊香をどうにかしたいです。
知恵を貸してください」
毎日、毎日休み時間に追いかけっこはいやだ...
早急に解決しなくては俺が死んでしまう。
「そうだね…廊下で逃げてるところを見たけど狂ってたね」
「そうなんですよね、私も昼食を食べていたら逃げていて、食べ終わっても逃げてましたしね…」
「お兄ちゃん、大丈夫?顔が死んでるよ?」
今日起きたことを思い出したら吐き気がしてきた。
「大丈夫だ、お兄ちゃんを信じろ…」
みんな心配した様子でこちらを見ている。
「よし、今回は私たちだけで解決しましょう」
と京が提案をするとほかの2人も「おー」とやる気満々だった。
「なので寝てていいですよ」
俺は疲れていたのでお言葉に甘えることにした。
「ごめんな…、後でみんなになんかおごるわ」
そう言い残し俺は風呂に入って寝た。
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