第30話 なんでこーなるのっ!

懐かしさに浸っているうちにもう朝になっていた。

「燐、起きろ?朝だぞ」

ソロソロトイレにも行きたいので燐を起こそうとした。

「んー、お兄ちゃん。好き…」

燐はまだ寝ぼけているらしく、俺に抱きついてきた。

「おぉう。なかなかに破壊力があるな…」

危なく堕ちてしまうところだった。

「燐、起きてくれ。トイレに行きたいんだが」

「んー、お兄ちゃん…私の中に…していいよ。」

「良くないよ?っていうか悪ふざけもほどほどにな?」

「えへへ、バレちゃってたか」

今日はいつもの燐に戻っていた。

「トイレに連れて行ってあげるねというか縄を解いてあげるね」

「ありがと。」

俺は急いでトイレに向かった。


「さてと、久々に2人だな…」

「そうだね。お腹減ってない?」

「そうだな、何か頼むわ」

燐はキッチンに立って軽いものをつくってくれている

「できたよー」

「ありがとう」

そう言って俺はサンドウィッチを一口食べた。

「うん、美味しい」

「そう?よかった…」

なんか含みのある笑顔だな…

「どうかしたのか?」

「ううん、ただ私の全てが入った物を食べてくれたのが嬉しくて…」

あっ、忘れてた、てか作ってたからてっきり昨日のは捨てたんだとおもって油断していた。

「うっ、なにが入ってるんだ…」

「それはね…」

耳打ちされた瞬間俺は全身が凍りついた。

そして、嘔吐しかけた。

自分の妹がこんなにも狂っていたなんて…

「お兄ちゃんは私を食べたんだよ?だからもう私の物だよね?」

「か、体が動かない…」

「じゃあ、私もお兄ちゃん…いただきます」

唇を舐めて俺へ馬乗りし俺の服へ手をかけてきた。

「助けて、だれか。妹に襲われる…」

「ただいまー」

「おっじゃましまーす」

ガチャっと玄関のドアが開きリビングの扉を開けた。

「「あっ」」

「え?」

空気が凍りついた。


「なるほどね〜」

「だから私に春さんの家に泊まるように進めたんですね」

「まさか、こんなに早く帰ってくるなんて…」」

俺からしたら感謝でしかない。

両親が帰ってきた時に、燐の中に新たな生命が宿ったなんて聞いたら大変なことになっただろう…

「ありがとう、母さんから白い目で見られるところだった」

「それより、燐さん私達は恋のライバルであり仲間です。困ったことがあったらいつでも話してください。」

「ありがと、京さん…」

「よし、っじゃあみんなで寝よっか」

「はい?なんでそうなるの?」

俺としては一睡もしてないから風呂に入ってすぐに寝たいんだが…

「だって、昨日は燐と一緒に寝たんでしょ?」

「ゔっ、俺は寝てないぞ」

「屁理屈言わない」

京さんもお怒りですね。

「痺れが取れたらお風呂入ってそれから寝たいんで、先に寝ててください」

「「はーい」」


「ふぅ…疲れがとれるなぁ」

「お邪魔します」

京?

「入るよー」

「春さん?入ってから入るよーは遅いですよ」

「やっぱり、やめましょうよ」

「燐まで入ってきたのか」

「背中流すよ」

「抜け駆けとは許せませんね春さん」

「お兄ちゃん…」

「「こらー抱きつくな」」」

女が3人集まったら姦しいって本当なんだな…

実感できた。


「さてと、寝るか…」

「おやすみー」

「おやすみなさい」

「おやすみ、お兄ちゃん」

俺らは布団を引いてみんなで寝た。


両親が帰宅と同時に俺は叩き起こされ説教が始まった。

「なんでこーなるのっ!」

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