第15 小日向春親衛隊
久々に俺の下駄箱に紙が入っていた。
「本当久々やな・・・」
ここ最近罰告されることはなくなった。
それも小日向春と付き合っていると認知されたからだろう。
「なになに?放課後図書室に来てください?」
図書室なんてテスト期間じゃない限り放課後にいる奴はそういないだろう
「ふぁぁ、今日も疲れた」
「疲れたな…」
「栄治君?帰ろ?」
「悪い、ちょっと用事があるから先に帰っててくれるか?」
「そんなに遅くならないんだったら待ってるけど?」
「うーん…なんとも言えないから任せるよ」
「じゃあ待ってるね」
「たのもーう」
道場を訪ねる時のようにして図書室の扉を開けた。
「待ってたわ」
ん?こいつは、誰だったけ。何処かで見たことのある顔だな…
「私は小日向春親衛隊隊長、新道かおり」
「あー、親衛隊か…。それで何の用?」
「春様との関わりを全て立ちなさい」
「何故に?」
「最近春様があんたのことばかり考えていて私たちに構ってくれないからよ」
うっわー、超八つ当たりやないですか。
「俺原因じゃなくない?ましてや構ってくれないからって八つ当たりとか、プププ」
思いっきり煽ってやった。
「生意気言ってんじゃないわよ、みんなこいつをボコボコにするわよ?」
ぞろぞろと奥から親衛隊が出てきた。
「怖い、怖い」
「舐めてると痛い目合うわよ」
「舐めてるつもりはないんだけどな」
だってもう縄で拘束されてるし…
「私たちのものを壊したんだからあんたのものも壊していいわよね?」
「壊すって何を?」
「とりあえずメガネでも壊そうかしら」
「メガネだけはマジでやめてくれ」
「そんなに焦るなんてよっぽど大切なのね」
「よーくご覧なさい」
新道はメガネを外しぶっ壊した。
「あははは、愉快愉快」
他の親衛隊の連中も笑っている。
「おい、クソアマども。調子に乗り過ぎちゃあ行けねえぞ?」
「なに?そんな脅しに屈するとでも?」
「脅しじゃねえ。こんな縄直ぐに解ける」
「!?さっきまでと雰囲気が違うわみんな気をつけて」
「「「はい」」」
「お前らが壊したメガネ、あれはな本当の俺を隠すための道具なんだよ」
メガネをかけている時の俺は裏の顔、自分で外したり、悪意があって壊された場合に出てくる今の俺が表の顔
「さあ、ブスども。宴の時間だ。遊ぼうぜ?」
そこからは虐殺タイムだった。
「や、やめてください」
「新道。お前は舐め過ぎた。それがお前の敗因だ」
最大級の威圧をかけて言い放った。
「毎日震えてねむれ」
手刀で意識を刈り取った。
「予備のメガネがあってよかった」
「なに…あれ…」
私は目の前で起きた事実が信じられなかった。
やられっぱなしのあいつが親衛隊をボッコボッコにし始めたのだ。
「これはみんなに報告しなくちゃ」
バレないように私は忍び足で逃げた。
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