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「あれ? ここは?」
あなたは自分の記憶を反芻する。覚えているのは目の前に大きな四角い鉄の箱が迫ってくる映像――もしかして――。
「あーあ、やっちゃったかぁ」
あなたの隣では残念そうな顔をしたリコスが立っている。あなたは訳が分からないまま、ぼうっと座り込んでいた。
見たところ、この世界は目に見える範囲内で想像する限り、あなたが普段見ていた景色とさほど変わらない風だ。さっきまでのビルばかり建ち並ぶ風景よりよっぽど健全に見える。とは言え、あなたには腑に落ちないところがいくつもあった。
まずひとつ、どうやってこの世界に来たのか……リコスの転移魔法は使っていない
次は隣で立っている彼女が不本意な表情をしている……その理由は?
最後の疑問は、ズバリここはどこなのか――と、言う事。
「あ、あのさ……」
「ん?」
あなたが勇気を出して彼女に声をかけると、両手を腰に当てた彼女が振り返る。
「俺達、どうなったんだ?」
「どうやら異世界転生してしまったみたいね」
「え?」
異世界……転生? その聞き慣れない言葉にあなたは首をかしげる。
「転移じゃなくて、転生? 君の魔法じゃないのかい?」
「全然? 私達あのトラックに轢かれたんだよ。それでこの世界に飛ばされた」
正直、リコスの話はあまり理解が出来なかったけれど、どうやらこれは魔法的な現象ではなく、以前の世界であの鉄の箱にぶつかって、2人共死んでしまったと、どうやらそう言う事らしい。
「じゃあ、ここは死後の世界?」
「かもね、まだよく分からないけど」
状況が理解出来たところで、あなたは呆然としてしまう。これから先どうしたらいいのか全く見当がつかなかったからだ。
「取り敢えず歩いてみましょ、何か分かるかも知れないし」
「そ、そうだな……」
こうしたあなた達は右も左も分からないこの世界を知るために歩き始めた。どうにか何か手がかりを掴んで、ここで生きる方法を探さないといけない。2人のイレギュラーな生き延びるための新たな冒険はこうして始まりを継げたのだった。
ここから先の物語はまたいつかの機会に――。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886600486
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