三時のおやつ(ジャンル:ショートショート)
三時のおやつ
「三時のおやつにフンフフフ~ン♪」
時刻は三時。
僕はうろ覚えの歌詞とメロディを口ずさみながら、おやつを買いに最寄りのコンビニへと向かっていた。
……最寄りと言っても、徒歩で十五分はかかる。そんなに近くはない。郊外の住宅地故の不便さだ。出来ればもっと駅の近くに住みたいところ……。
それはともかくとして、「三時のおやつ」という言葉を考えた人は天才だと思う。ご飯をちゃんと食べていても、この時間帯には何かとお腹が空いてくる。
僕はいつも「三時のおやつ」として常備しているチョコレート(大入り184g)をパクパクするんだけど、今日はうっかりストックを切らしていた。そんなわけで、わざわざ徒歩十五分のコンビニまで足を運ぼうとしているのだ。
コンビニへ行けばいつでもある程度の食べ物が買えるんだから、全く便利な世の中だよね!
――等と考えながら歩き続けて約十五分。目的のコンビニ「イレブンマート」が近付いてきたんだけど……何やら様子が変だった。
店内は、非常灯以外の灯りが消えていてやけに暗い。しかも入り口には何やら張り紙がされている。
もしや、閉店してしまった? このコンビニが無くなると不便すぎるんだけど……。
けれども、近付いて張り紙の内容を読むと、どうやら閉店という訳ではないようだった。張り紙の文面は、こんな感じだ。
『当店ではこの度、24時間営業を見直すこととなりました。当面の間、深夜二時~早朝五時までの営業を停止いたします。ご理解ご協力のほどを、よろしくお願いいたします』
(了)
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