蛇足
――その夜。
「まーくんはもう寝たのかい?」
「ええ、見て。あんなにぐっすり寝ているわ」
遅くに仕事から帰ってきたお父さんが、安らかに寝息を立てているまーくんの様子をお母さんと一緒に見ていました。
「子供が大きくなるのは早いものだね」
「ええ、とっても楽しみね。もっと大きくなってもらわないと――」
――にっこりと笑い合うお父さんとお母さんの姿を誰かが見ていたら、悲鳴をあげていたかもしれません。
二人の口は耳まで裂けていて鋭い牙が並んでいます。
その口から伸びる舌は細く長く、先端は二股に分かれています。
そして二人の眼は、まるで夜行性の蛇のそれのように、縦長の瞳になっていて――。
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