食に関わる詩①
ではでは、今回は探してきた食に関わる詩をご紹介します。戦前の作品なんですね。初めて読みました。
浅田一 食偈じきげ(1937年)より
「食育の詩」 子供たちへ捧げる
ただいま戴くこの御飯、 百姓さんに育てられ
お米屋さんに臼づかれ 台所臺所で炊がれて
幾十人の手数経た 尊い汗の記録です
青物なども同様に 百姓さんに育てられ
八百屋さんから運ばれて お台所臺所で調味され
皆汗汗の記録です。 肉やお魚其外そのほかの
飲み食ふ物は凡すべて皆 幾百人の手数経て
汗や涙や気遣きづかいの こもった物と思ったら
只ただ一粒のお米でも 粗末にする気になれませぬ
さても頂く食物は 胃の腑ふや腸でこなされる
それは怒や心配で 妨さまたげられるものなれば
頂く時は朗ほがらかな いと和なごやかな気持にて
よくよく咬かんで味あじわって 感謝しながら食べませうしょう。
汗水垂らして働けど 三度の御飯ごはん食べられぬ
あはれ憐れな人も沢山たくさんに 広い世間せけんにあるのです
三度三度の御飯ごはんをば 不自由ふじゆうなしに頂ける
私達は仕合しあわせだ。 あはれ憐れば人も食べられる
様ように祈いのってあげませうしょう 行儀ぎょうぎ正しくシャンとして
いと和なごやかに朗ほがらかに 頂きませういただきましょう此この御飯ごはん。
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