女子五人
青山えむ
第1話
テレビドラマを見ていたら、高校の卒業シーンが映った。
そういえば今年で自分が高校を卒業してから十年目だと気づいた。もう二桁経ったのか。十年前の卒業式を思い出してちょっと懐かしくなった。みんなは今どうしているのだろう。クラスメイトに会いたくなった。
思い立ったら実行したくなる私は、すぐ友達に連絡をした。
小百合は高校時代のクラスメイトで早くに結婚して、旦那の実家で旦那の両親と同居生活をしている。小百合には子どもが二人いるので小百合と遊ぶ時は平日限定だった。クラス会を開いてみんなに会いたいという内容のメールを送信したら小百合も賛成してくれた。
私達二人だけではクラスメイト多数に連絡が出来ないので、あと何人か集まろうという事になった。私と小百合の他に三人と連絡がつき、次の金曜に一旦集まる事になった。
○
玲子が一人暮らしをしているので、玲子のアパートに五人が集合した。全員高校時代のクラスメイトだ。十年ぶりに会ってもすぐにあの頃と同じように話せるのは、十六歳から十八歳という時期は、それ相応の時期だったのだろうか。みんなの近況報告から始まった。
玲子は隣の市にあるちょっと高級な服屋で働いているらしい。ブティックというやつか。女子力高めのルックスにイケメンの彼氏がいるキラキラ女子代表のような玲子にはぴったりだと思った。部屋にもピンクの洋服やグッズが多く、ファッション雑誌の世界に入り込んだようだ。
玲子はクラス会には是非行きたいと乗り気だ。普段から友達や彼氏の仲間も含めてよく飲みに行っているらしいので、クラス会もその一部だろう。
私はちょっとメランコリックな気持ちも含めてみんなに会いたいと思っているけれど玲子的にはただの愉しい飲み会、という期待だろう。玲子はきっと毎日が愉しいタイプだろうな、と思い少し羨ましくなった。
美保は少しぽっちゃりしていて、性格は優しい子だ。小さい子どもがいるらしく、たまにする外食や外出がとても愉しみだと云っている。
美保は地元のアパートで、旦那と子どもと三人で暮らしているらしい。専業主婦をしているのでママ友がまだいないらしく、他の人の子育ての話を聞いてみたいと云っていた。甘えん坊だった美保が一人で子育てをしているのかと、何だか不思議な感覚だった。
はるかは昔から頭が良くて、地元の一流企業に就職をした。しかも美人だ。完璧すぎて男性陣が近寄れないのか、特定の恋人はいないらしい。けれどもやっぱりもてるらしく、しょっちゅうデートをしていると云っていた。
年齢的にも、子持ち組が多いのかな? とはるかは云った。そのチームと話が合うかしら? 子ども居るのが羨ましいって思ったら嫌だなーと、みんなの前で正直に発言するはるかの天然ぶりが変わっていなくて安心した。美人で頭の良いはるかが妬まれなかったのは、この天然の性格のお陰だろうか。
小百合はクラスのみんなには会いたいけれど、姑ストレスで老けた自分を見られたくないと、微妙な心持ちらしい。私から見たら全然老けてないと思うけれど、本人は気になるものなのだろう。
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