『『作中作』についてのある考察』

「『作中作』ってあるじゃない?【演劇】の登場人物が書く『物語』とか、そういうの好きなんだ」

「なぜ?」

「特に深い理由はないよ。入れ子構造なのが面白いと思ってるだけ」

「入れ子構造ねぇ。【物語】の中の『【物語】の中の『物語』』みたいに考えられるってことか」

「そうそう。それでいて、【作品】の中の登場人物は自分が【作品】の一部であることに気づいてないから、『作中作』を【作品】としてしか認識できない。うまく例えられないけど、微分で言うところの函数と導函数みたいな関係というか」

「分かったような、分からないような…」


「まあ、そんな哲学的な事を考えずとも、【作品】が楽しめればそれでヨシ、ってね!」

「確かに。ところで、今日は【何】を楽しむつもり?」

「今日は、この【世界】でも見るか。面白いんだよ。科学という法則に従う宇宙って所があって、僕達みたいな知的存在が住んでて、色々やってる群像劇みたいな【作品】。結構人気なんだぜ」

「『作中作』もあるの?」

「それは勿論。『漫画』とか『アニメ』とか沢山あるぜ。どうもこの【世界】の登場人物は創作意欲が盛んなキャラが多いようだ」


私達が【作品】の登場人物である可能性も拭えない。

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