『第203話・告白×タイミング』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154909734

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154909734/episodes/1177354054881283543



 茜宅にて、母親公認の婚約者にされかけるエピソード。

 絶妙な「あと一歩」感がすごい。


>「へえー、いつもそんなことを考えながら淹れてたのか。すげえな」

「そんなことないよ。もう長いつき合いだからなんとなく分かるだけだし。それに龍ちゃんも私の好きな物とかよく知ってるし、お互い様だと思うよ?」

 文字にすれば十数年という三文字で終わってしまうけど、その三文字の中にはとてつもなくたくさんの思い出が溢れている。

 それはもう言葉や文字といったもので表すのは難しく、俺という人間を形作っている大事なものだ。


 シーンとしては何気ない(ラブコメ感満載の)ものなのだが、ここまで数多くの字数を費やしてきただけあって、『十数年という三文字』の重みがずっしりとくる。

 こうした台詞が違和感なくさらりと出てくるあたり、作者さんの中で彼らはしっかりと息づき、長い時間かけて成長してきたのだろうと思う。『こういうシーンを描かなきゃ』と無理に気張っている感じがない。

 同じ書き手として、とても羨ましい。

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