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　月面での物語。こっちが本編だろうか。

　幻想的と表現するのが似合う。個人的には、詩に似た雰囲気を感じた。

＞月面から見上げた空の大半は、常闇に閉ざされていた。星々が大気の妨害なく力強く煌めいている。小隕石が小糠雨のように降り注ぎ、太陽光を浴びてきらきらと輝いた。

　ここから始まる地球の様子が実に壮大で美麗。そして、この描写にしれっと挿入されたヒロインのどたばたが、よい塩梅で混ざり合ってる。ここだけ読んだら、主人公、ドライだねと戦慄した。

　この達観ぶりは、やはりそこにいた年数のためだろうか。

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