魔法属性についてのアレコレ。
「ところで、ラウラって魔法の天才って感じなのに、回復魔法は使えないの?」
「無理じゃな。ワシに光の適性は殆ど無い」
「闇は使えたよね?」
「一般的にじゃが、闇と光はどちらかの適性が高いと逆が使えんようになっておる」
「わお」
マジか。魔法属性、そんなところで仕事してた。
魔法属性って、ゲームでは敵の弱点を突くのに必要な情報だと思ってたから、こっちの世界に来てから色々と新情報に遭遇してるんだよなー。ユリウスさんが闇属性とか、ヴェルナーが光属性天元突破だとか、色々と。
いや、ヴェルナーの光属性天元突破は知っているんだけども。ユリウスさんの闇属性は知らなかったんだよね。後、魔法を使わない人には属性って別に特に気にする要素じゃないっていう情報もあったっけ。まぁ、日常を考えれば確かにそうだ。
「ん?ってことは、ヴェルナーは闇魔法系は使えないってこと?」
「無理じゃな」
「まぁ、アイツは基本的に回復魔法とか補助魔法とかだっけ……」
「あやつが使う補助魔法は四大元素魔法も含んでおるから、やろうと思えば攻撃魔法も使えるじゃろうよ」
「マジで!?それ初耳なんだけど!」
思わず声を上げたワタシ。いやでも、ワタシは悪くないです。ゲームでのヴェルナーは、攻撃魔法なんて一つも使えなかったんだ。唯一の例外が光属性の魔法だけ。こう、アンデット系に特攻な感じのやつ。
まぁ、回復役だからそんなもんだと思ったんだけど、まさかの違ったわけですか?え?使えるとか知らなかったんだけど。何で?
そんなワタシの疑問は、続いたラウラの言葉が解消してくれた。いや、解消とは違うんだけども。
「威力が出ないとかで、面倒くさがって使っておらんだけじゃ」
「あの腹黒眼鏡……」
どこの世界に攻撃力が低いからって理由で攻撃魔法を放置する神官がいるんだ……。っていうか、アイツが回復補助系魔法しか使わない理由って、そこー!?威力が足りないのが理由だったの!?
四属性の攻撃魔法が使えれば、相手の弱点を突くことで有利に戦えるだろうに。ひいては身を守るとか、同行者を守るとかになるんだから、ちょっとは使おうと思えば良いのに……!
「そりゃあ、攻撃魔法なんじゃから、攻撃力が必要じゃろうに」
「神父の発想じゃねぇんだわ」
頭が痛い……。あの腹黒眼鏡、なんだってアレでこの国で最高峰の光魔法の適正持ちだったりするんだろう……。解せぬ……。
「解せぬというなら、宰相は回復魔法が使えるぞ」
「え?」
「闇属性でありながら回復魔法も中級までなら簡単に使いこなす辺り、化け物じゃのう」
「嘘ぉおお!?」
ラウラのしれっとした暴露に、思わず絶叫した。マジで?ユリウスさん、どんだけハイスペックなんですか!?あの人は闇属性の筈なのに、何で光属性の回復魔法が使えるの!?理屈が間違ってない!?
だって、ラウラは使えないんでしょう?闇に適性があるから、光属性の魔法は使えないんですよね?お前の魔力で回復魔法使えたら最強じゃんって思ったけど、使えないって言ったよね?
なのに何で、ユリウスさんは使えちゃうの!おかしいでしょ!
「我が国の宰相は有能じゃろう?」
「有能の方向性が違うんだけど!」
「細かいのぉ」
いや、全然細かくないよね!誰も教えてくれなかったけど、めっちゃ凄いことじゃん!やっぱりあの人、最前線で敵をぶっ飛ばせる逸材だった!
「根性で覚えたそうじゃから、気合いじゃろ」
「じゃあラウラも気合いで覚えたら?」
「根性論はワシの性に合わぬ」
「あっそう……」
何か一気に力が抜けた。
何て言うか、本当に。うちの皆様、本当に、こう、スペックがおかしいね……。中心にいるのがスペックお化けの覇王様だからなのかな……。常識がバイバイしてる。
とりあえず、ユリウスさんは怒らせないでおこうと思いました。マル。
(終)
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