甘恋い ー雨ときどき霊ー

水屋七宝

第0話 エピローグプロローグ

あなたは雨は好きですか?








雨の音は、好きですか?








ぴちょん ぴちょん と静かな音。




ざぁ ざぁ と騒がしい音。




たまに風を伴って、それはあなたに襲いかかることもあるでしょう。




あなたは雨は嫌いでしょうか。




ただ降るだけの雨は、なかなか好かれることがありません。




なぜならそれは、邪魔だから。








雨が降れば傘が要る。




雨が降ると、洗濯物が乾かない。








それは誰もが思うことで




抗いようのないことなのでしょう






それでも私は、雨は好きです。






それはなぜかって?






パタリと本を閉じる音は、雨に混じって掻き消えた。








それはきっと。




「雨に長く関わりすぎたせいだろう」




そういう彼の顔の上には、雨にも負けぬ陽光のような微笑みがありました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます