第3話

「お嬢ちゃん、どうして泣いてるの?」

みーちゃんに話しかけたのは、ベッドの下にいた小さな野ねずみでした。

黒いきらきらした瞳の、可愛らしい様子で、小首を傾げていました。

「さっちゃんから貰った指輪が見つからないの。」

「指輪って、どんなもの?」

「赤くて、きらきらしてて、丸いのよ。」

「わかった。僕も、よく気をつけておいて、赤くて、きらきらしてて、丸いものを、もし見つけたら、すぐに教えてあげる。」

「本当?ありがとう。見つけたら、教えてね。」

みーちゃんは、野ねずみの親切な申し出に、悲しい気持ちが少しだけ、楽になりました。

そして、もし誰かが無くし物をして困っていたら、きっとわたしも、こんなふうに言ってあげよう、と思いました。

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