レベル22
『モンスターカード!』
オレの目の前に『4枚』のカードが浮かび上がる。そう『4枚』の。大事な事なんで2回言いました。
「増えてる、増えてるよ! やったよラピス!」
「どうやら、ゲットしたモンスターが20レベルになるとカードが増える仕様らしいですね」
なるほど! 20レベルか!
確かドラスレは……未だ1レベル。アレ、なんとかレベル上げる方法あるのだろうか?
次にメタルスライム。おっ、もう5レベルになっている。あのお姉さん頑張っているなあ。
このペースなら、メタルスライムが20レベルになるのにもそんなにかからないかも知れない。
「しかし、カードが増えたと言う事は……」
「その王様骸骨、ゲットしてみましょうよ」
天啓スキルの持ち主だった可能性があるんだよな。
そんなのゲット出来たらすごい戦力アップになるかもしれない。
「それには、どうやってヒットポイントを削るか、だが」
「これ、武器なんですかね。あっ、このカード幾らでも出せます」
ラピスがトランプを飛ばして遊んでいる。
偶に入って来たネズミを細切れにしている。スプラッターはやめろ。
「意外に切れ味があるなそのトランプ。そっちのステッキはどうだ?」
「こっちは普通に殴ってダメージって感じですね。でもちょっとした鈍器ぐらいのダメージは出てるっぽいですよ」
ラピスの基礎パラメータの分もあるしな。
しかしそれだけでは決定打に欠ける。
「ドラゴンスレイヤー(笑)を出してみるのはどうでしょうか?」
「だから(笑)を付けるなって。しかし、ドラスレなんか持ち出しても重すぎて持ち上がらないぞ」
ふむふむ、ラピスが王様骸骨を引き付けて、その隙に上からドスンと。
なるほどな。だが、上からってどうやって?
「ちょっとちょっと王子様、ボスの居る場所の間取りって分かります?」
「えっ、いや、そんなの知らな……いや待てよ、たしか今の王宮は旧王都にあった物のレプリカだって聞いた事がある……もしかしたら王座も同じ感じかもしれない」
はいこれチョーク。
王子様はチョークで地面に見取り図を書いていく。
「なるほど、別の場所から2階のバルコニーに行けると……これならうまい事いくかも知れん」
「しかし、別々に行動して大丈夫ですかね?」
ここからそう距離も離れて居ない。アンデッドは足が遅い奴が多いし、駆け抜ければなんとかならない事もないだろう。
問題は……
「王子様、走れる?」
「えっ、そのっ、ガンバリマス!」
よしっ、そうと決まれば。
ラピス、オレ達が所定の場所に着いたらモンスターカードでお前を召喚しなおす。
その間、道中の敵の足止めを頼む!
アイアイサーと言ってラピスは立ち上がる。
王子様はほら、準備運動。
ハイ、両手を空に上げて。いちにっさんしっと。
さっそく行動を開始するオレ達。
素早い敵は優先的にオレとラピスが始末する。
ノロノロとした奴は放置だ。
王子様はハヒハヒ言いながら走っている。意外と頑張っているな。まあ命が掛かっているし。
王座の2階のバルコニーに続く部屋の前でラピスと別れる。
うまいこと2階のバルコニーにはモンスターが居ない。
しかし、下を見下ろすとぎっしりと骸骨が埋まってる。
その中でも一際大きい奴が王座らしきものに座っていた。
大丈夫かなラピス、あん中に放り込んでも?
おっ、アレかな? 王座の後ろにでっかい宝玉が鎮座している。たぶんアレがダンジョンコアだろう。
オレは2階から、カードを持った手をそっと出し、1階の地面に向けてラピスを召喚する。それと同時に王子様の剣も放り投げる。
そして現れたラピス、その剣を受け取って鬼人のごとき速さで周りの骸骨を片付けていく。
あの剣、結構な切れ味じゃないか。
「そりゃあ、始祖が打った剣だからね。あれ一本で王城が買えるぐらいするから。その上、アンデッドに対しては特効がついている」
マジで!? オレの剣と交換しとけば良かったかな?
ラピスを回収したらあの剣あそこに置いたままになるぞ。
しかし、王様骸骨まったく動かないな? 生きてるのかな? いや骸骨に生きてるもなにもないかもしれないが。
結局ラピスが広間の骸骨を掃討し終ってもまったく動かない王様骸骨。
これでは2階からドスンが狙えないではないか。
ラピスが剣を構えて王様骸骨と対峙する。
ラピスが牽制、とばかりにトランプを投げつける。
それが王様骸骨に届く瞬間、腰の剣に手をやったかと思うと徐に切り上げる。
パラパラと落ちるトランプ。
振り上げた剣をまた鞘にもどす王様骸骨。
おいラピス、それもういいから後ろのコアを狙え。
と言いたいところだが、声を出したら居場所がばれる。
ジリッジリッと間合いを狭めていくラピス。
それが一定の距離に達した瞬間だった!
一陣の風が吹いたかと思うと、ラピスの懐に王様骸骨が。とっさにカードに戻すオレ。
空を切る王様骸骨の大剣。
あぶねえ、ちょっとでもタイミングが遅かったら真っ二つだったぞ。
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