1話📱そこは邪魔です‼

『あの、どうかしましたか?』


これが彼にかけた最初の言葉だった……


+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+


男子トイレの前で中に

入ろうとしない少し年上の男性。


「あ、いや、何でもないよ」


焦り気味で扉を彼が半分ほど

開けた時に

何故入ろうとしなかった原因が見えた。


成る程、あれは普通の人なら

入りたくないわね。


彼の横を通りすぎ、

原因の二人に近付いた。


「あ、君」


後ろから焦ったような

咎めような声が聞こえたけど

気にせず、問題の二人に近付いた。


『お兄さんたち、ヤるなら

せめて個室の中にしてくれないですか?


入れなくて困ってる人が

いるんですよ……』


彼らに最初に言ったのがこれ。


気付いた赤茶髪の人は女の私が

居ることに驚くことなく、

さっき彼にした質問をされた。


「女子トイレ混んでるのか?」


実際に女子トイレが

混んでるかどうかなんて

知らないしどうでもいい。


『ええ、そうなんですよ』


適当な相槌あいづちをうつ。


『それより、

彼が入れなくて困ってますよ』


開けっ放しの扉越しに

いまだ動けずにいる

彼を指して言ったことで

漸く、気付いたみたいだ。


「もしかして、

俺たちがヤってるの見て

入るのやめたのか……


夏弦、個室行くぞ」


ミルクティー色の彼は夏弦と言うらしい。


呼ばれて初めて顔を上げた彼は

私を認識するなり慌てふためいた。


「颯介、何で女の子が!?」


赤茶髪の彼は颯介というらしい。


そう此処は間違いなく

“男子トイレ”なのに

女の私が知らない内に居れば

大慌てだろうね。


状況が状況なんだし。


そんな彼を颯介さんは

お姫様抱っこして

一番奥の個室に入って行った。


『これで入れますよ~


じゃぁ私は失礼しますね』


入った時と一緒で彼の横を通り過ぎて

男子トイレを出たのだがこの後、

本屋で四人が再び遭遇する。

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