犬のマル。

はやて

一日目:飼い主

やあ。ボクは何処にでもいる中学三年生だ。


成績普通、運動神経も普通。色恋沙汰も皆無。


あ、でも数学はちょっと苦手。因数分解とかいつ使うんだよ。勝手に分解すんじゃねえよ。というかなんであいつら池の周りグルグル回ってんだよ。あと点AとB勝手に動くなよ。それと弟の4倍近くのスピードで歩く兄なんなん。ウサインボノレトかよ。




・・・おっと、話がそれたな。


ボクは家で犬を飼っているんだ。名前はマル。柴犬ガチ勢だ。


いつも何故か自分が柴犬であることを誇りに思えと言わんばかりにドヤ顔でエサをよこせとハッハハッハと声を出す。


あとは結構やんちゃしたり近所の犬と喧嘩したりで毎日がもう大変だ。


でもそんな生活も気付けば早数年。慣れって怖いもんだよな。



「さて、ちょっと宿題でもやりますか―――」



『ワン!ワン!!ワン!!!』



「・・・今日ははえーな」



現在午後4時半。いつも5時の鐘の音を目安に連れてけって鳴くんだけど。


まあいいか。宿題なんて後でも出来るし。それよりあんまり叫ばれると近所迷惑になるからな。




「はいはーい!!今行くぞマルーー!!!」




―――こうして、今日もマルと一緒に散歩に行く。

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