ピアノと永遠の相

ういんぐ神風

あらすじ

冬のある日。

 少年、早田(そうだ)野分(のわき)は鍵盤の女神、岡音(おかおと)マリアと運命を感じる。

 卒業式が一か月前まで迫った時だった、

「残念だったな!お前の思惑にならず。異世界でチート能力を俺に与えることができないのだからな!」

 と、自転車に軽く惹かれた彼は慢心で道端に叫ぶ。

「野分くんさ。内容はともかく、いきなり道路で、叫ぶのは恥ずかしくないの?」

 フラットでいつも表情に感情が薄く。茶髪でショートパーマの持ち主。同じ学校の制服を纏った幼馴染、汐崎(しおざき)葵(あおい)は少しつまらない事を言う。

 そう、このつまらなそうに見える会話。

 卒業に向けてこんな他愛もないことは二度と出来ないだろう。未来はどうなるか、自分でも知らない。もしかすると親父が言う「永遠の相の下に」なのだろうか?

 野分はこの自分の父が好きな言葉「永遠の相の下に」が好きだった。全ては因果律、全ての物語は自然の法則に元付き、因果性に働いていること。

 そんなのうのうと生きている野分は家に帰ると、女神に出会った。

 バスタオルの一枚で纏った女性だった。黒く艶々とした、ロングした髪型の女性。シャワー上がりのため、その髪は異常に美しく思えた。

 日本人であるかの髪型であるがその双眸は欧米人のように青く輝く瞳。純水の色であればその瞳の事を指すのだろう。

「死ね!」

 と、彼女からの罵倒。

 それから父親が帰宅し説明する。

「結論から言う。彼女、岡音(おかおと)はここで一か月住むことになった」

 岡音マリア。それは野分のクラスメイトであり、特権で単位は許されている学生。『ピアノの天才が座っている席』めったに学園に顔を出さない学生。

 天才ピアニスト、デルフィナ・ヴォジンスカの娘。その天才は遺伝子を受け継ぎ、今も彼女は活躍中だ。年に一回か二回にはピアノのコンクールに優勝している。

 しかし、彼女は卒業しないことを決心していた。世間に興味はない。人生はピアノしかない、と。

 その選択に激怒した野分は、

「俺は岡音、お前のピアノを認めない!ピアノで演奏試合だ!勝利したものには敗北したものに一つ願いを叶えられる条件だ。これならどうだ?」

 と、まあ天才ピアニストに挑んだ。

 これから先、野分の人生はどうなるのか!?



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ピアノと永遠の相 ういんぐ神風 @WingD

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