レギンの首輪

八木平治

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 真名を奪うことにより、他者の精神を支配する力。


 操術。


 数百年前、繁栄を極めていた魔術士の世は、突如現れた操術士たちによって滅び去った。


 火を生む力も、雷を落とす力も、洪水を起こす力も、人間の心そのものを操る力の前には無力だったのだ。


 やがて世界は、操術を扱うことができる「支配種」と、操術に抵抗できない「隷属種」の、二種類に分けられた。


 支配種にとって、隷属種たちは労働力であり、兵器であり、ペットであり、家畜であった。


 ――「天使」と呼ばれる者たちを除いては。

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