軽くなりたい

 ナウマン象「今夜のうちに町を逃げ出さないと、地元のヤクザにトンでもねえ目にあうんだよ! さっさと、俺ンちの荷物を運び出せよう!」



 ナウマン象一家の夜逃げを手伝うハメになったヒロシ。



ヒロシ「ひえええ、こんなたくさんの重い荷物、僕は運べないよう」



マルぼん「『軽々てぶくろ』。この手ぶくろをはめて物を運ぶと、そのものがどんなに重くても軽く感じるようになる」




ヒロシ「本当だ! この、なぜかコンクリートがぎっちり詰まっているドラム缶も、嘘みたいに軽く感じるぞ。これなら、簡単に運ぶことができる!」



 ヒロシは無事にナウマン象の家の家具を運び出すことができました。ナウマン象の恐れるヤクザにもきちんと「ナウマン象のやろう、逃げ出そうとしていますよ」と連絡をいれ、ヒロシは無事に解放されたです。



ヒロシ「今度はあれだよ。善意で誰かの荷物運びを手伝いたいな。この手ぶくろがあれば、どんなものでも軽く感じるんだし」



マルぼん「おいみろよ、あそこで何人かの暗い顔をした男性が、みんなでひとつのものを運んでいるぞ。きっととても重いんだ」



ヒロシ「よし、手伝ってこよう!」



 ヒロシとマルぼんは、『軽々てぶくろ』を装着して、荷物運びに参加しました。



ヒロシ「あれ、運んでいる人々、なぜかみんな喪服?」



マルぼん「あれ、この運んでいるものって、もしかして、棺桶」



運んでいた人A「しかしとんでもねえじいさんだったな」



 棺桶を運んでいた男性の顔が、あんなに暗かった男性の顔が、笑顔になっていました。



運んでいた人B「強欲で」



運んでいた人C「色情狂で」



運んでいた人D「いなくなってせいせいした!」



参列者A「もう、そこらへんの公園で燃やさない?」



参列者B「キャンプファイアーみたーい!」



 マルぼんは、荷物の中身の扱いまで軽くしてしまう「反重力てぶろく」の効果は絶大だと思いました。

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