暑い

ヒロシ「この暑さ。これはあれか。自然を、地球をないがしろにしてきた我々愚かなる人類への警鐘か警告かそれとも復讐なのか」



マルぼん「ようするに」



ヒロシ「うちには冷房ないから、その、涼しくなる機密道具を」



マルぼん「『冷棒』」



ヒロシ「なにこれ。ただの棒やん」



マルぼん「この棒を握り、ひたすら『涼しくなれ』と念じるんだ。その念が強ければ強いほど、この棒は冷えてくる」



ヒロシ「よ、よし。スズシクナレスズシクナレ…」



テレビ『友の祈りが、怒りが、俺を強くするー!! うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』



マルぼん「お気に入りのアニメ『どれいバトラー かける』だよ。金で集めたどれいを戦わせる『どれいバトラー』になったかける少年が、一流どれいバトラーになる様子を描いた作品。毎回のようにある熱い展開(人が死ぬ)で、一部のアニメファンに人気なんだ。今回は、主人公の従兄弟の知り合いが、非業の死を遂げたの」



ヒロシ「消せよ。念じられないだろ」



マルぼん「断るね」



ヒロシ「ナンだと貴様!」



 思わずマルぼんの頭部を、持っていた『冷棒』で殴るヒロシ。マルぼんは動かなくなりました。



ヒロシ「そ、そんな。そんなバカな。死なすつもりはなかったのに…僕は僕はなんてことを」



 震えが止まらなくなるヒロシ。顔も青ざめていて、とても涼しげ。マルぼんは『冷棒』の効果は絶大だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る