ヒロシの名投手

ヒロシ「最近は野球選手、それもピッチャーになりたいという思いがふつふつと湧いてきました。その想いの強さは、あの日、僕から家族を奪った戦争に対する憎しみと同程度であると、もっぱらの評判です。」



マルぼん「努力しなよ、努力は美しいよ。かわいいよ。かわいいは正義だよ」



ヒロシ「僕は理想と努力とマズい飯は大嫌いなの! 戦争と同じくらい嫌いなの!」



マルぼん「機密道具を出せと?」



ヒロシ「イエス! イエス! 名投手になれる機密道具を! この場に出しておくれよ!」



マルぼん「『なゲル』。このゲルを利き腕に塗れば、『投げる』という動作がとても上手に行えるようになる」



ヒロシ「すばらしい機密道具!」



 さっそく『なゲル』を利き腕に塗り続けるヒロシ。そうしているうちに。



ヒロシ「ぼぼぼぼぼぼくの利き腕が、なんかこう、、なんかこう、君の悪いメタモルフォーゼを遂げた! まるでタコの足みたいだっ」



マルぼん「ああ、副作用だな」



 今回の件で、ヒロシは、マルぼんを含めた『現代に生きるちょっと不思議な生物』全体に、「安易に道具や魔法の力に頼ってもいいものか?」という疑問を投げかけたのでした。



 疑問とかを投げかけられるようになったヒロシ。マルぼんは『なゲル』の効果は絶大だと思いました。

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