ヒロシ、野球の星
ナウマン象と金歯の率いる草野球チーム『エレファンズ』。ヒロシはこのチームに所属しています。スポーツと名のつくものは、「アニメや特撮の放送を休止させる憎むべき存在」と、観るのもやるのも嫌いな筈なのに、なぜか。
実はそれには深い理由があるのです。『エレファンズ』結成時、『メンバーの数がまるで足りない。泣くほど足りない。呻くほど足りない』という悲劇が起こりました。ナウマン象はヒロシに拳を振り上げて、「入団しないと、俺の拳が濡れる。君の血でね」と脅し、金歯は札束でヒロシの頬を叩いて「おまえんとこの親父、うちのパパの経営する会社に勤めているんだって?」と脅しました。
ヒロシは泣く泣く、『エレファンズ』に入団し、なぜかピッチャーになったのです。ヒロシなんかをピッチャーにするもんだから、『エレファンズ』は連戦連敗。
「ヒロシのせいです。次の試合で負けたら、俺は(ヒロシを)死なせます。懲役刑覚悟で」とは、ナウマン象の談。
「ヒロシが死んだら、来世はゴキブリになるように、知り合いの邪僧たちに祈祷させるつもりです」とは、金歯の談。
ヒロシ「ぼかぁ、死にたかないよう!」
マルぼん「がんばって練習しろ……言いたいところだけど、次の試合は明日だ。そんな時間はないね。こうなったら、機密道具の力を借りるしかないな。よし、今から君の肩に灸を据えるよ」
『変化灸もぐさ』。このもぐさを使って肩に灸を据えると、変化球を投げられるようになります。その変化球は魔球スレスレで、たいていの試合なら、勝てます。そんなわけで、ヒロシに灸を据え終わりました。
マルぼん「よし、これでオッケーだ。とりあえずこのボールを投げてみな。適当に投げるだけで、すごい変化球になるから」
ヒロシ「あぱらちゃもげーた」
マルぼん「は?」
ヒロシ「おっきゃんてぃーおっきゃんてぃー」
マルぼん「どうした、ヒロシ」
ヒロシ「えっぱえろっぱどこいししょーこくもこくも」
マルぼんの声かけに、聞いたことのないような言語で答えるヒロシ。その目は死んだ魚の目のようになっていました。
ヒロシ「まっしぼまっしぼ!」
マルぼん「しもた! 『変化灸もぐさ』の副作用が、脳とかそこらへんにいってもうたんや」
ヒロシ「ネイfんpウェイgd:・;pンwぽえfmpうぇんfpうぇんぽヴぇw。くけー!」
マルぼんは、ヒロシが会話のキャッチボールでまで変化球を投げられるようにした、『変化灸』の効果は絶大だと思いました。
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