悲しきドール
ナウマン象「ヒロシを殺そうと思います」
ヒロシ「なんなの、唐突に!」
ナウマン象「俺もガキ大将のはしくれだし、まぁ、ここいら一発だな、大きな打ち上げ花火をだな、上げてだな。将来、その筋に入った時の箔にしたいんよ」」
ヒロシ「ひえー!」
ナウマン象「逃げるな! 一度でいいから殺されて! 一度でいいから!!」
ヒロシ「なんとか無事に逃げ延びてきたわけだけど、このままじゃ、本気で取り返しのつかぬことになりますよ? この僕は」
マルぼん「たしかになぁ。よし、こいつを使うか。『みがわり人形』。この人形に自分の髪の毛を1本植毛する。
すると、この人形は自分と同一の存在となり、自分がなにかダメージを受けた際は、この人形がそのダメージを肩代わりしてくれるんだ。肉体的ダメージであろうが精神的ダメージであろうが経済的ダメージであろうが、どんなダメージでも引き受けてくれる、超高性能な人形なの」
ヒロシ「こいつさえあれば、ナウマン象にどんな暴力をうけても大丈夫ってわけだね。よし。僕の髪の毛を植毛してみたよ」
ママさん「さぁ。部屋の掃除をするわよ。て、それは人形!」
マルぼん「人形がなにか?」
ママさん「私は、親の意志のまま、敷かれたレールをひたすら歩く生きた人形としてその半生を送ってきたから、人形と名のつくものは大嫌いなの! 壊す! ソノ人形ヲ破壊スル!」
ヒロシ「ひょえー! そいつを破壊されたら、僕は! 僕は!」
ママさん「コノ鈍器ノヨウナモノデ、 ソノ人形ヲ破壊スル!」
ヒロシ「あぶなーい!」
ママさん「死ねよやー!」
バコッ
ヒロシ「ぎゃー!!」
人形の頭部がママさんの鈍器のようなもので殴打したかに見えた瞬間、ヒロシの頭部から血が噴出しました。ヒロシが人形をかばったのです。
ヒロシ「こ、これで、ぼくは、だい、だいじょう、ぶ…がく」
マルぼんは、『みがわり人形』のみがわりになって致命傷を負ったヒロシのダメージは引き受けてくれない『みがわり人形』の効果は絶大だと思いました。
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