18歳
ヒロシが泣きながら、漫画に墨を塗っています。「ついに壊れたか」と心配したマルぼんが理由を尋ねてみたところ
ヒロシ「町内の規則で、『18歳未満に見えるキャラクターが登場しており、青少年の育成に悪影響を与えそうな内容』の本や映像作品は規制されることになったんだ
……映像作品は媒体を処分、既に所持している有害本は問題部分を墨で黒く塗りつぶすようにという御達しが……ううう」
マルぼん「この本、子供こそ登場しているけど、内容は全然まともだよ。こんな本でもアウトなの?」
ヒロシ「実際のところ、18歳未満に見えるキャラクターがでていたらアウトなんだよ」
マルぼん「18歳未満に見えなければいいんだろ。キャラクターをみんな大人びた外見にしてしまえばいいんでない?」
ヒロシ「偉い人が『18歳未満に見える!』と認定したら、どんな物でも対象となるんだ……ううう。マルぼん、なんとかなる機密道具だしてえ!」
マルぼん「そんなの簡単な話じゃないか。この機密道具を使えばいい。この道具さえ使えば大丈夫だよ。ほら、ここが起動ボタンだ押してみな」
言われるまま、マルぼんの出した機密道具の起動ボタンを押すヒロシ。とくに異変はありません。
ヒロシ「マルぼん、なにもおこらな……」
と、その時、絹を裂くような女性の悲鳴! なにごとかと、ヒロシが窓から外を見てみると……。体中が無数の毛に覆われた化け物と、背中から大きな羽が生えていて顔が犬という化け物がたがいを指差して「おまえどうしたんだ!」「てめえこそ!」とか言いあっているではありませんか。化け物は両方とも、ランドセルを背負っています。その近くには、セーラー服を着た一つ目の化け物や学ランを着た鬼なんかもいます。
マルぼん「漫画や映像作品の方をいくら変えてもだめなら、現実のほうを変えてしまえばいい」
マルぼん「今のは、18歳未満の人間の外見を、化け物のようにしてしまう機密道具だよ」
マルぼん「これなら、いくら偉い人でも『この漫画のヒロインは18歳未満に見える!』なんて言えないだろ?」
マルぼん「人間に見える18歳未満なんて、この世に存在しなくなったんだから」
ヒロシ(頭がイカで、下半身がタコみたくなっている)は、黙して語りませんでした。
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