フェアウェア
ルナちゃん「ヒロシさんは?」
マルぼん「毛田さんに誘われて、駅前でビラ配っているよ」
ルナちゃん「また毛田さん!? 最近、多くない!?」
マルぼん「毛田さんは、気が弱くていつもオドオドしている、小動物属性のメガネっ娘。ヒロシのツボをつきまくりの存在だからね。ルナちゃんみたいな宗教バカじゃ太刀打ちできないよ」
ルナちゃん「キーッ!! ヒロシさんってば、ついこの前まで『ルナちゃんの服を売ってください』『ルナちゃんの入った風呂の残り湯を口移しで飲ませて』『この婚姻届にハンコを押してください』とか言ったり、部屋中を私の写真で埋め尽くしたり、うちのお父さんのお墓に勝手に行って、墓石に向かって『お嬢さんをまかせてください』とか呟いていたくせにー!! 殺す!!」
マルぼん「いいよ、別に」
ルナちゃん「ねえ、マルちゃん。新ヒロインが登場したからといって、旧ヒロインがおざなりになるなんて、不公平だわ。どんな人も公平な扱いになる機密道具をだして!」
マルぼん「『フェアウェア』~。この服を着れば、とっても公平に扱ってもらえるようになるんだ」
ルナちゃん「これで最悪でも、ダブルヒロイン制に持ち込めるわね!」
さっそく着替え始めるルナちゃん。マルぼんが目の前にいますが、どうも知的生命体と認識していないようなので、羞恥心のカケラもないようです。命って。
ルナちゃん「さぁ、着替えた! 着替えたわ!」
ママさん「あ、ルナちゃん。3万5000円、早く出して」
ルナちゃん「はぁ?」
ママさん「着払いで注文した7万円の服が、いま届いたの。だから、その代金を半分だしてちょうだい」
ルナちゃん「はぁ? はぁ?」
ママさん「だって、私だけ全額払うなんて不公平だもの。だから、半分だして。公平に半分出して」
パパさん「あ、ルナちゃん。はやく病院へ行こう」
ルナちゃん「はぁ?」
パパさん「借金がのっぴきならない状態でさ、いよいよ臓器を売ることになったんだ。でも、私だけ臓器を売るのは不公平。だから、一緒に臓器を売りに行こう」
ナウマン象「金歯を殺っちまった…俺だけ逮捕は不公平だから、一緒に自首しようぜ」
金歯(故)「朕だけ死ぬのはいやでおじゃる。不公平でおじゃる。一緒に墓に入って欲しいでおじゃる」
ルナちゃん「いや、いやぁぁぁぁぁぁん!!」
マルぼん「まぁ、少しくらい不公平なほうが、人生楽しく暮らせるわな」
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