墓石が! こんな低価格で!

 ルナちゃん「駅前の石屋で閉店セールをやっていて、素敵な墓石が驚くほどの低価格で、こんなに大量に手に入ったのよ。これでいつでも、我が教団の仲間たちは共に旅立つことできるわ。苦しみも悲しみもない、永遠に続くパラダイスへ!!」



興味のあるかたは、ルナちゃんまでご一報を♪



ヒロシ「僕も驚きの低価格で墓石を購入したいな。その石屋を紹介してちょうだいよ」



ルナちゃん「無駄よ、無駄無駄! 全部売り切れたって!」



ヒロシ「そ、そんにゃあ…」



 それからそれから


マルぼん「なに、『僕も閉店セールをやっているお店で、安く大量に買い物をしたいの!』だって?」



ヒロシ「どんなお店でもかまわないんだ。僕、僕、閉店寸前のお店で安売りされているものを買いたいの! で、あの女に自慢してやりたいの! 『僕だって、閉店セールのお店で買いものできるんだ! そして生きているンだ! って。命は、未来へと続いていくものなんだって! ひとつの命は、多くの命への架け橋なんだって!」



マルぼん「『閉店シール』。このシールを貼ったお店は、必ず近々閉店することになり、『閉店セール』を催すようになる」



ヒロシ「うっわ。悪用できそうな機密道具だね」



マルぼん「これで好きなお店を好きだけ閉店に追い込むがいいさ」



ママさん「あ、こちらです」



黒服「どーもですぅ」



ヒロシ「あ! いつもの人身売買組織のブローカーさん!」



ママさん「あの、借金で、その。首が回らないの。」



ヒロシ「もういいよ。今回は、僕も抵抗しますよって」



黒服「ビビっと感じる、身の危険!」



 人身売買組織のブローカーさんは、思わず携帯している銃を発砲してしまいました。



黒服「あー思わずやっちゃった!」



黒服2「やれやれ。商品をやっちゃうなんて、君もまだまだですね」



黒服「あ! お得意さまの、臓器密売組織のブローカーさん!」



黒服2「死んだ人の臓器は、生きている人のより鮮度が落ちるから、買取り価格はそれなりに安くなりますよ? そうねえ、半額くらいにはなるかな」



黒服「殺生な!」



 マルぼんは、人生を閉店してしまったヒロシまでお安くしてしまった「閉店シール」の効果は絶大だと思いました。

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