日の当たる場所へ

ヒロシ「金歯のヤツが、なんか聞いたことのない曲を聞いて、センスの良さをアピールしていたんだよ! くちおしい!」



マルぼん「たぶん、インディーズのバンドの曲だねえ」



ヒロシ「インディーズの曲?」



マルぼん「レコード協会とかに所属していない会社やらアーティストの作った曲だよ。インディーズの映画なんかもあるよ。マルぼんもよく、インディーズのゾンビ映画を観るし」



ヒロシ「う、うらやましい! 僕もインディーズの曲やら映画やらをこれみよがしに人前で聞いたり観たりして、センスの良さをアピールしたい!」



マルぼん「『インディーズボン』。このズボンを穿いていたら、自分にあったインディーズのなにかがきっとみつかる」



ヒロシ「ほんと!?うほほーい!」



 ヒロシは『インディーズボン』を穿いて外へ飛び出しましたが、速攻で車にはねられました。かけつける救急隊員。



救急隊員A「近くの病院、『人手がないからこないでくれ』だって!」



救急隊員B「ええ!? どうするよ!?」



救急隊員「たしかこの辺にもうひとつ、古い病院があったはずだから、そこへ」



 で、その病院へ運ばれるヒロシ。



ヒロシ「痛い痛い…ドクター、僕を助けてください」



ドクター「はいはい。いま、痛み止めの注射をだね…おっと。これはインシュリンだ」



ヒロシ「ド、ドクター。な、なんで注射器を持つ手が、震えておられるので?」



ドクター「打ちかたならってないんだ、僕」



ヒロシ「え」



ドクター「僕は、日本医師会に所属しないインディーズの医者なんだ。大丈夫。これまでもバレなかったから」



 愛読書はブラック・ジャック。



ヒロシ「ぎゃー!!」



 マルぼんは『インディーズボン』の効果は絶大だと思いました。

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