大江戸! マルぼんと暮らす

ヒロシ「うわーん、マルぼーん!!」



マルぼん「どうしたでござるか、ヒロシ氏」



ヒロシ「金歯の家の石垣の修繕を、我が大沼家が命じられたんだけど、参勤交代などで慢性的に財政難の我が大沼家では、とてもじゃないけどそんな費用を工面できないないんだ! このままじゃ、僕切腹だ!」



マルぼん「そいっつは大変でござる。ニンニン。こいつを使ってみるでござる!」



ヒロシ「なにこれ。球体?」



マルぼん「そいつは『丸』という機密道具でござるよ、ヒロシ氏。お、ちょうど家の前をナウマン象が歩いているでござる。『丸』をナウマン象にぶつけてみるでござる」



 ヒロシは窓から『丸』を投げ、ナウマン象にぶつけました。するとナウマン象の表情が一変。



『石垣の修繕費用が必要なので、臓器売ります。すぐに迎えに来てください』と手紙にしたためると、伝書鳩に持たせてどこかへ飛ばしてしまいました。



 その後、ナウマン象の臓器は無事に売却され、石垣修繕の費用となりました。大沼家は救われたのです。



マルぼん「『丸』は面倒なことをすべて、ぶつけた相手に丸投げできる機密道具なのでござる。ニンニン」



ヒロシ「すごいや! よし、これでなんでもかんでも人に丸投げしてやろう!」



 あるだけの『丸』を持って家を飛び出すヒロシでしたが、運悪く、そこに暴れ馬が……。



 ヒロシは駆けつけた救急車によって、近くの微笑病院へと搬送されました。



医師A「…これは…あはは。私には治せませんね、医師B先生、よろしく」



医師B「私にも無理ですなぁ。医師Ω先生どうぞ」



医師Ω「俺にも不可能です。そうだ。隣町の薄笑い病院ならいけるのでは?」



医師A「ですね。薄笑い病院へどうぞー」



 さすが『丸』。使用者のヒロシも丸投げです。マルぼんは『丸』の効果は絶大だと思いました。

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