花だ、花を植えてくれ

 最近はぶっそうな事件ばかり発生し、親が子を子が親を、夫が妻を妻が夫を金で売るという暗黒な微笑町。



 そんな微笑町を救うべく、マルぼんは立ち上がったのです!!



マルぼん「花の種を撒くんだ。町中を花でいっぱいにする!!」



花はいつだって、荒れた心をいやしてくれるのです。



ヒロシ「でも、花の種を買うにも先立つものがない」



マルぼん「心配めさるな。花の種など、未来の世界から持ってきておる。なんの花かはわかんないけど」



ヒロシ「げぇ!? 撒いたそばからさっそく芽がでた!?」



マルぼん「成長早いね」



 一瞬ですくすくと成長する種。やがて花となり、実ができ、実からは…怪物が生まれました。



怪物「きけーきけー!!」



 怪物は奇声をあげて、火を噴きながら人々を襲い始めました。



マルぼん「すごい! 怪物だ、怪物!」



 マルぼんは夢中で、デジカメのシャッターを押しまくりました。その後、微笑町は灰になりました。 翌日、避難先の体育館。



ヒロシ「結局、何の種だったんだろう」



マルぼん「特だ」



ヒロシ「はい?」



マルぼん「特の種。特ダネだよ」



 微笑町の惨状を伝える記事と暴れる怪物の写真の載った新聞、それから新聞社からの謝礼の入った封筒を見て、マルぼんは言いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る