ハレルヤ~花が散っても~

ヒロシ「ああ、今日は雨か。雨が降ったら学校を休む。これが僕のジャスティス。さぁ、マルぼん。僕のゲーム機をだしておくれ」



マルぼん「おいおい。雨が降ったら休むなんて南国ライフ、現代日本では不可能ですよ」



ヒロシ「やすむーやすむー」



マルぼん「仕方がないな。こいつを使うか。『ハレル矢』~」



ヒロシ「その矢はなんだい? ま、まさかそれで僕を」



 マルぼんは、取り出した『ハレル矢』をボーガンにセットしました。



マルぼん「シュート!」



 マルぼん、空に広がる雨雲に向かい、『ハレル矢』を放ちます。矢はものすごい勢いで飛んでいき、雨雲に吸い込まれるように消えていきます。そして。



ヒロシ「雨雲が散った!」



マルぼん「『ハレル矢』は雨雲を散らし、大空に晴れをもたらしてくれる機密道具なんだ」



ヒロシ「すごいや。これでどんな悪天候でも、いつでも青空だね!」



 そんなわけで、ヒロシは悪天候になるたびに『ハレル矢』で雨雲を散らし、晴れをもたらすようになりました。

彼は天気王になったのです。



ヒロシ「おや、今日も雨だね。よし『ハレル矢』の出番だ。ボーガンにセットして、と」



マルぼん「あれ、『ハレル矢』はこの前使い切って、新しいのを注文している最中なんだけど」



ヒロシ「でも、ここに1本残っていたよ。ではさっそく、シュート!」



マルぼん「あ、それ、マルぼんが趣味の狩猟で使っている弓矢セットの矢だ。ごく普通の矢だよ」



ヒロシ「へ?」



 雨雲に向かって放たれた普通の矢は当然空に届くわけもなく、そのまま落ちてきました。落ちてきた矢は、落ちてきた矢は、ヒロシにむかって、ヒロシの頭にむかって



ヒロシ「ギニャー!!」



マルぼん「ヒロシー!」





ナウマン象「ヒロシがアレしたらしいな」



金歯「あいつ、最近、調子に乗っていたから天罰が下ったのでおじゃるよ」



ナウマン象「ざまあみろ、だな。あははははは」



金歯「あーいい気分でおじゃる。おほほほほほほほほほ」



 マルぼんは、ナウマン象と金歯の気分も晴らした『ハレル矢』の効果は絶大だと思いました。

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