やっ種うれSEED

ナウマン象「あははは、金だ金だ!」



ヒロシ「すごい大金じゃないですか! いったいどうしたんです!」



ナウマン象「親戚のおじさんにいただいた種を埋めたら、花が咲いてよ。その花を煎じたら『吸引したら気持ちよくなる粉』ができてさ、大もうけ!」



ヒロシ「うらやましいなぁ」



 警察への通報を終えたヒロシは、「僕も種を植えていろいろやりたいよう」とマルぼんに相談しました。



マルぼん「未来の世界通販で、未来の花屋に珍しくて花が咲いたら高く売れる種を注文しようか」



ヒロシ「やっほーい」



 信頼と品質と配達のスピードが売りの、未来の世界の花屋さん。さっそく、なにかの種を送ってきました。



ヒロシ「さっそく種を庭に植えてみよう」



花屋の店員「すいませぬー!」



マルぼん「な、なんですか」



花屋の店員「えっとですね、間違ってちがう種を送ってしまったんです。一度土に埋めると、半径300キロ以内の土壌を一瞬にして腐らせ、十年間は生物が暮らせないような環境にしてしまう種を送ってしまったんです」



ヒロシ「大変だ!もう埋めちゃったよ! とんでもないこと、しでかしてしもうた! 掘り返さないと!」



花屋の店員「無駄です。埋めたら光の速さで土に溶けてしまうのですよ。唯一の救いは、種の効果がでる確立は50%しかないということです。もしかしたら、惨事は起きないかもしれない!」



ヒロシ「い、いまのところ土には異常がないから、効果はでないのかも?」



花屋の店員「効果がでるのは、埋めてから半年後のことです。半年後になるまで、種の効果がでたのかでていないのかわかりません」



ヒロシ「そ、そんな一ヶ月もの間、こんな不安な気持ちでいろと!?」



マルぼん「ところで、このバカみたいな種は、なんという名前の種なの?」



花屋の店員「えっと、なんだっけ」



 それから半年間。ヒロシは種の効果がでるかでないのか不安で不安でしょうがなく、体調を崩しました。精神的にもおかしくなり、深夜に全裸で町をうろついたりという奇行が目立つようになり、ママさんとパパさんは「この子の将来は」と悲観し、ヒロシの首に絞められた痕が見られたり見られなかったり。




 種の効果はでるのかでないのか。ヒロシは快方にむかうのかむかわないのか。ママさんとパパさんの将来は? 大沼家の不安の種は、尽きそうにありません。

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