ヒロシは令和のやるっきゃナイト

ヒロシ「最近、ルナちゃんがなにものかに襲撃されたりすることが多いんだってさ。靴に硫酸を入れられたり、使っている井戸の水が硫酸にそっくり替えられていたり、コンサート中に顔に硫酸をかけられたり……ほら、この前、対立する宗教団体の事務所を焼き討ちにして、多数の死傷者・行方不明者を出しただろ、彼女。その残党による報復らしいんだけど…心配なの! ルナちゃんが心配なの! 僕は騎士になりたい。ルナちゃんの騎士に!」



マルぼん「なればいいじゃないの。人は、自分が望めばなににでもなれるんだ」



ヒロシ「法律で、ルナちゃんの半径10メートル以内に近づいたらいけないことになっているから無理なの」



マルぼん「そこで機密道具ですか。ようがす。『盾シールA・B』。このAとBの2枚シールをそれぞれ、別の人に貼る。Aのシールを貼った人がなんらかの攻撃を受けた場合、そのダメージはBのシールを貼った人が受ける。ようするに、ダメージの肩代わりをすることができるの」



ヒロシ「生粋のマゾとして名を馳せた僕の欲望も満たせるし、一挙両得な機密道具だね」



 マルぼんはAシールをルナちゃんに貼り、Bシールをヒロシに貼りました。



ヒロシ「はははは。これで僕はルナちゃんの騎士! ははははは! あれ!?」



マルぼん「どうした」



ヒロシ「財布から、お金が消えていくんだ!」



黒服「ちわーす。お仕事の時間ですー。発電所に行きましょうね」



ヒロシ「またもや発電所内部の掃除!? なんで、借金はすべて払い終えたはず」



マルぼん「そういえば、焼き討ちで崩壊した宗教団体が、ルナちゃんに損害賠償を求めたとか」



 マルぼんは、経済的ダメージまで肩代わりさせてしまう『盾シールA・B』の効果は絶大だと思いました。

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