ローゼンヒロシ

ヒロシ「わわわ! 家の前に死体が! 女性の死体が! 弁護士を! 警察を!」



金歯「ちがうでおじゃる。そいつは死体でなくて人形。100万円もする人形でおじゃる」



ヒロシ「うへー。リアルすぎて怖いくらい」



金歯「今夜から、この人形が朕の恋人でおじゃる。はぁはぁ」



ヒロシ「う、うらやましい!!」



 というわけで



ヒロシ「超高価で超価値のある人形をだして!!」



マルぼん「無理だよ馬鹿。そんなものない!」



ヒロシ「人形出して! 人形出して!」



マルぼん「人形ならあるよ! うちには立派な人形がある」



ヒロシ「はぁ? なにを言っているのさ。人形なんてどこにも…」



ママさん「ヒロくん。新しい服を買ってきたわ。明日からこの服を着なさい」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。この薬草は体にいいの。煎じて毎朝飲みなさい」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。新しい保険を見つけてきたから加入しなさい」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。今日は七時に夕食だからきちんと降りてきなさい」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。ナウマン象さんと遊んだら駄目よ。あのこは色々あるから、悪いうわさ」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。この傷はこけてついたもの。わかっているわね? この間のビンタは関係ない。学校で先生に傷のこと尋ねられても、必ずそう答えるのよ。」



ヒロシ「はい、お母様!」



ママさん「ヒロくん。この学校を受験しなさい」



ヒロシ「はい、お母様!」



それから。



ヒロシ「な、人形なんてどこにもないだろ、マルぼん」



マルぼん「だからあるんだって」


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