一生潜め! ヒロシの隠れ家的レストラン

ママさん「ついにねんがんの『レストラン』をオープンさせたわ!」



 長年、自分の料理の腕を披露するレストランの開業を夢見ていてたママさん。新しいパパさんの資金援助で(きゃっ♪)、ついにオープンまでいたりました。



マルぼん「しかし自宅を改造してまでレストランにするなんてねえ」



ママさん「実は都会の隠れ家的レストランにしようと考えているの。隠れ家的レストランといえば、『自宅を改造』だと思うし」



マルぼん「隠れ家レストランってなに? 単純に『自宅を改造して造ったレストラン』ってわけではなさそうだけど」



ママさん「え。そういえば、なんだろう。『隠れ家』という言葉だけが気に入って、深く考えたことがなかったなー」 



いったいどういうものなのかわかってもいないのに、『隠れ家レストラン』の経営などうまくいくはずもありません。



マルぼん「とりあえず『隠れ家レストラン』っぽさを出しましょうか。『っぽさ液』。この液を塗ったのものは、自分の望む『っぽさ』を演出することができる。馬鹿に塗れば、頭がいい人っぽくなるとか、そんな感じです。こいつをレストランに塗って『隠れ家レストラン』っぽくしましょう」



ママさん「塗ってみたけれど、どこがどう『隠れ家』っぽいのかさっぱりだわー」



 マルぼんとママさんが『っぽさ液』を持って騒いでいると、ヒロシが友達らしい人たちを引き連れて返ってきました。みな、木材とか空き瓶とかヘルメットとか布とかガソリンの入った缶とかを、なぜか大量に持っています。



ママさん「あら、お帰りなさい」



ヒロシ「……」



 無言で、家のなかに入っていくヒロシと友人たち。



友人A「レストランオープンだって? 大丈夫か? 気づかれないか?」



友人B「俺たちの、計画。」



ヒロシ「大丈夫だよ。勘の鈍い親だから」



 部屋に入るとカーテンを閉め、火炎瓶を造りはじめるヒロシたち。部屋の壁には某政治家の写真が貼られていて、その写真にはダーツが大量に刺さっていました。



一同「革命の炎を! 日本に真の自由を!」



 マルぼんは、レストランを隠れ家っぽくした『っぽさ液』の効果は絶大だと思いました。

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