増量キャンペーン

ヒロシ「ウンマーイ。ウンマーイ。カラアゲ、ウンマーイ」



マルぼん「またカラアゲかっ! 昨日もバカみたいにくったでしょ!? 鬼のようにくったでしょ!? おばかっおばかっ!」



ビシバシ(虐待をあらわす擬音)



ヒロシ「あのね、昨日、カラアゲを大量に買ったのはね、やはりキャンペーンで増量しているせいだと思うの。だからね、キャンペーンで増量って素晴らしいよね。行く先々でそういうキャンペーンに出くわせる道具だせや」



 色々とかわいそうになってきたので、マルぼんは、機密道具を用意しました。人間の生首のカタチした機密道具。『増量Kiss(チュー)』



増量Kiss『ハァハァ…』



マルぼん「この首とキスしたら、行く先々で増量キャンペーンが開催されるようになる」



 マルぼんは『増量Kiss』の唇を、ヒロシの唇に押し付けました。



ヒロシ(あ、ぼくの、ファーストキス…)



 ヒロシの涙と同時に、部屋に飾っていた花が一輪、ポトリと落ちました。さよなら、少年時代。さようなら、純粋だった頃。



ヒロシ(目の下に光るもの)「と、とにかくこれで僕は、行く先々で増量キャンペーンに遭遇できるのですな」



マルぼん「それよか、ママさんの裁判、今日が結審だよ」



ヒロシ「そういや、職場で事件を起こしていたんだっけか。厭な上司のお茶に、大きい声では言えない液体を

混入したんだよね」



 マルぼんとヒロシは早速、傍聴に向かいました。



裁判長「えっとー。本当は懲役7年ですけど、ただいまキャンペーン中につき、懲役98年の判決ですー」



弁護士「異議なし」



ママさん「私の人生ー!!」



 マルぼんは『増量Kiss』の効果は絶大だと思いました。


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