鯛アップ
ヒロシ「お金がないから犯罪するね」
マルぼん「機密道具だすから! 未来をあきらめないで!」
ヒロシ「ほんと!?」
マルぼん「『鯛アップタイ』。この鯛の形をしたタイをつけると、どこぞの会社やら企業やらとタイアップすることができる」
ヒロシ「ほうほう」
マルぼん「タイアップしたところの宣伝活動をすれば、口座にお金が振り込まれるんだ」
ヒロシ「で、ではさっそく」
『鯛アップタイ』を身につけるヒロシ。
マルぼん「ヒロシ、自由自在社というところから、タイアップしたと言う申し出があったよ」
ヒロシ「わーい! タイアップ契約するよー」
マルぼん「自由自在社からなにか送られてきた。なんかアタッシュケースだね。えっと『これを人ごみであけてください。そうするだけでとんでもない宣伝効果があるらしいんだ」
ヒロシ「わーい。さっそく、通勤ラッシュ中の駅で開けてくるよー」
アタッシュケース片手に駅へと繰り出すヒロシ。しばらくあと、駅前のほうから爆音が響いてきました。
なにごとかと思ってマルぼんがテレビをつけるとニュース『反政府テロ組織「ふわふわっいもうとマシュマロ団」から「さきほどの微笑町での爆発は、我々の政府への宣戦布告である。裁きの雷である」という犯行声明がされたようです』
こうして反政府テロ組織『ふわふわっいもうとマシュマロ団』の名は、恐怖と共に人々の心に刻まれました。爆発はとんでもない宣伝効果をもたらしたのです。
後日確認すると、ヒロシの口座には、500万円が振り込まれていました。ヒロシが帰ってくる気配はありません。マルぼんは『鯛アップタイ』の効果は絶大だと思いました。ヒロシが帰ってくる気配は、やはりありません。
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